• テキストサイズ

君ノ為蒼穹に願ふ【薄桜鬼真改】

第10章 乱世【土方歳三編】


私よりもずっと井上さんや山崎さんと親しかった土方さんが、ここまでの決意を見せている。
私も何時までも落ち込んでいることはできない。

償いがきちんとできるか分からない。
それでも、彼らへの償いを私自身が出来るまでやり遂げようと決めた。
そして、山崎さんに託された言葉通りに、土方さんの傍で出来ることをして行こうと決めた。

日の光を見つめながら、私は目を細める。
すると、土方さんが私の方を見ていることに気がついて、私も彼へと視線を向けた。

「……江戸に戻ったら、忙しくなるな」
「そうですね……」
「お前はまだ、俺の傍に居るつもりか?」
「……もちろんです。貴方が嫌と言っても、傍にいます……」

私の言葉に土方さんは小さく笑みを零した。
煩わしそうに、嫌がっているように笑っているのではなく、ただ穏やかに微笑んでいる。

「そうか……」



❈*❈*❈*❈*❈*❈*❈

ー慶応四年・一月ー

鳥羽伏見の戦いが薩長側の勝利で終わり、幕府軍が撤退すると共に新選組も江戸に向かうことになる。

四年前、育ての父親である雪村綱道を捜す為に、千鶴と二人で上ってきて新選組と出会った場所ーー。
彼らと共に日々を過ごした京の町を後にする。
彼が江戸での再起を心に秘め、私と千鶴は彼らと共に行く道を選んだのだ。

私たちは江戸の地を目指す。
この先の運命がどうなるかわからぬままーー




ー土方歳三ルート/風ノ章編・閉幕ー
/ 768ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp