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君ノ為蒼穹に願ふ【薄桜鬼真改】

第7章 混沌【土方歳三編】


今日は、よく土方さんが笑う姿を見る。
お酒が入っているからかもしれないが、機嫌よく笑っている彼を見れば、私も吊られてしまうのだった。

それから……。
宴会は結局翌朝まで続き、楽しいひとときはあっという間に終わってしまった。
色々、悩むところや引っ掛かる事はあったけど、それを忘れさせるぐらいの楽しさだった。

「あ〜くそっ、二日酔いだ……」
「調子乗って飲み過ぎた……」
「うっぷ……」
「悪い、千鶴と千尋……薬をくれ」

翌朝、新選組の屯所に戻ると私と千鶴は慌ただしく薬の用意をしていた。

「まったく、呑み過ぎだよ」
「羽目を外しすぎたな」

土方さん、平助君、永倉さんと原田さんは二日酔い状態になっていた。
沖田さんと斎藤さんはそこまで呑まれていなかったので、平然としながら朝餉を食べている。

二日酔いとなっている皆さんはしじみのお味噌汁を飲んでから、二日酔いに効くお薬を飲んでいた。
そして、私は湯呑みを手にしてから土方さんの元へと向かう。

「土方さん、お薬です。あと、飲めたらで大丈夫ですがしじみのお味噌汁もどうぞ」
「……ああ、ありがとうな。くそっ、調子乗るんじゃなかったな」
「土方さんも、羽目を外す時があるんですね」

まさか、あの土方さんが羽目を外して二日酔いになるとは思っていなかったので驚いてしまう。
すると、土方さんは頭を抑えながら苦笑を浮かべた。

「懐かしいと思ってたらついな……」
「楽しそうでしたもんね」
「まあな……。たまには、ああいうのも良いな」

そう言った土方さんは、優しい笑顔を浮かべていたのだった……
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