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君ノ為蒼穹に願ふ【薄桜鬼真改】

第7章 混沌【土方歳三編】


「え、あの……?」

まさかの女の子にまで無謀を叱られしまい、千鶴は少しだけ縮こまってしまった。
そして女の子へと頭を下げて謝罪をする。

「すみません、ご心配かけてしまって」
「……すみませんでした?」

これは私も謝るべきなのかな?
そう思いながら、私も女の子へと頭を下げてから謝罪を述べた。
そして私も頭を下げれば、女の子は思い出したように瞬きをしてから、申し訳なさそうに笑みを浮かべた。

「あっ、でも……。私、あなた達に助けてもらったのよね。まだ、お礼を言ってなかったわ。ありがとう」
「いえ、そんな……。あの浪士を捕まえたのは、斎藤さんや他の隊士さんですから」
「お礼なら、斎藤さん……こちらの方に」

私と千鶴はただ庇っただけ。
あの浪士を捕縛して、本当に助けてくれたのは斎藤さんなので、私は斎藤さんへと視線を向ける。

「別に、謙遜なんてしなくていいのに。見て見ぬふりするよりは、ずっと立派だったんだから。これも何かの縁だし、女の子同士、仲良くしましょうね」
「えっ……!」
「あ……」

千鶴が驚いた声を出し、私はなんとも言えない表情をした。
すると、側で静観していた斎藤さんは静かな声で告げてくる。

「……見る者が見ればわかることだ。動揺するな」
「うん。私たち、わかる人から見れば普通に女だって分かるよ」
「え!?え、ええと……」

どうやら千鶴はそうとは思っていなかったらしい。
斎藤さんと私の言葉に驚愕しながらも、自分の姿を見たりとおろおろとしていた。

そんな姿を見ていた女の子は、私たちの様子に困ったような表情をしていた。
そして、静かな声で私たちに聞いてくる。

「あら、もしかして内緒だったの?……まずかったかしら?」
「まあ……、その……」
「少し、まずいというか……なんというか」

ここに他の隊士の方々が居なくて良かった。
そう思いながら、女の子の言葉に困惑しながら口ごもってしまう。

彼女は私と千鶴を見ると、どうやら事情を察してくれたみたい。
それ以上を追及する事はなく、なにやら思い出したように言葉を続けた。

「あ、ところで、まだお名前を聞いてなかったわね。これも何かの縁ですもの。教えてくれるかしら?」
「あっ、えっと、こちらの方はーー」
「そちらの方は、斎藤さんよね?新選組は有名だもの。知ってるわ。で、あなた達の名前は?」
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