第5章 デートくらい出来ます

「…しずく、僕は話し合いをしようって言ったんだ。」

「……………。」




しずくが結局離婚をしようと目論んでいる事は分かっている。

しずくは観念した様にため息を吐いた。




「……悟の言う通り、絶対離婚しようとしているわよ…。」

しずくがそう言うと、悟は体を起こしてしずくから離れた。




「……理由は？」

まだ隠し事が無いか悟は聞いている様だった。




「……理由に嘘は無いわ…。
悟には理解出来ないかもしれないけど、私は本当に自分の人生をやり直したいの。

離婚して好きな人と愛し合って、その人とこの先の人生を過ごしてみたい。
子供だって欲しい。
愛し合って産まれた子供もその人と一緒に育てたい。
そんな結婚生活がしたいの。」

「……………。」



しずくが嘘を言っている様には見えなかった。




「僕じゃダメな理由は？」

悟の言葉にしずくはフッと笑った。

「そんなの……あなたが1番よく分かってるじゃない。」