第5章 デートくらい出来ます
「……ていうか、それで好きな男作って、そいつとの子供作って、離婚しようと思ってるよね。」
「………………。」
その通りです。
表情を変えないしずくを見て、悟はため息を吐いた。
「離婚しないなら、しずくの好きな様にしていいよ。
恋をしてもいいし、情欲を外で満たしてきてもいい。
だけど、僕にも絶対に離婚しないという約束が欲しい。
そして今まで通りの生活を送れるっていう保証も。」
(私も自分勝手な言い分だかけど、悟も大概だな。)
清々しいほど、お互い自分の欲求しか言わなくて、道徳を無視した結婚生活に罪悪感は無くなりそうだ。
「僕たちの子供を作ろう。」
「?!」
悟がサラッと笑って言う提案に、しずくは固まった。
「子供が出来れば君は絶対に離婚出来ないし、僕も安心。
しずくは子供さえ産めば、外で何しようが構わない。
大丈夫!しずくなら上手くできるよ!
僕を10年も騙せたくらいだもの、子供の前では良き夫婦を演じて、バレないで恋でもSEXでも楽しめばいい。」