第5章 デートくらい出来ます
2人はリビングに移動した。
しずくは温かいお茶を出して、悟に渡した。
「…疲れたから甘いのがいい。」
「…イラ…。」
しずくは温かいココアを作り直して悟に渡す。
「……………。」
しずくはお茶を飲みながら、悟が話し出すのを待っていた。
悟はカップを置くと、ゆっくり話し出した。
「……しずくは恋がしたくて、愛人を作るなら離婚はしないで、今まで通りの生活を続けてくれるんだよね。」
悟の言葉にしずくは頷いた。
本当はそれでも離婚するつもりだが。
「それでいて、僕とはもう修復をするつまりは無いと…。」
「……今まで通りでいいって言ってるの。
あなたが喜ぶ事はあれ、夫婦仲を改善しよと思うなんてびっくりしたわ。」
「…………。」
確かにあの夜にしずくをあんな風に抱いてしまって、ムキになった部分はあった。
しかし、理由はそれだけでは無い。