第4章 あなただけは絶対に嫌なんです
そう言いながら何度もキスをしてきて、キツく抱いてくる。
それはまるで、愛し合っている夫婦みたいだ。
「……しずく、気持ちいいって言えよ。」
黙って勝手にイくんではなくて。
あの夜みたいにしがみ付いて、悟が与える情欲に溺れて欲しい。
じゃなければ、こっちがもう出してしまいそうだ。
ちゅっちゅっとしつこく唇を合わせてもキスを返してこない。
ぎゅっと握られた手だけが、唯一しずくから悟に触れている部分だ。
ああ、本当にこの女は。
僕に抱かれるのが嫌な様だ。
ぎゅっと目を瞑って決して開かないしずくを見て、悟はスッと体を離した。
急に離れた悟に、しずくは目を開いた。
ヌルッと悟のモノがしずくから出ていった。
悟がイッていないのは分かっている。
「………………。」
「……萎えた……。」
今度は萎えていない。
萎えたのは体では無くて心なのだろう。