第4章 あなただけは絶対に嫌なんです
もうこんな義務の様なSEXに欲情しないのはお互い様の様だ。
ああ今はこんなしずくに苛々する。
悟はグッとしずくの顔を掴むとしずくの唇にキスをした。
「?!」
悟を引き離そうとしてもしずくの手は悟に届かない。
「術式使えば、僕はしずくに触れるけど、しずくからは僕に触れない。」
こんな事に術式を使うなんて。
しずくは睨む様に悟を見る。
そんなしずくなど気にしない様に悟は行為を続けた。
「っん…。」
言われた通り悟の舌だけが勝手に絡まってくる。
口の中を悟の舌だけが動いて、唾液の絡まる音だけが耳に響いた。
忘れようとしていたあの夜が嫌でも思い出される。
あの時とは違って、いつもの悟の匂いと悟の声が今日は聞こえた。
「しずく、今日は黙って僕に抱かれて。」
先ほどまでとは違い、熱のこもって来た悟の声に眩暈がする。