第4章 あなただけは絶対に嫌なんです
しずくの嫌そうな顔に悟の顔が歪んだ。
他の男にはあんなにせがんでいた癖に。
「……しずくに言われて。
僕にも改善できる事はある。」
悟がそう言うとしずくは眉間に皺を寄せて笑った。
「そんな事はあなたに望んでないわよ。」
その顔は徹底的に悟を拒否している。
グッとしずくの肩を握っている悟の手に力が入った。
その強さに目を細めたが、そのまま悟を見続けた。
悟から怒りが伝わってくるのが分かった。
「……他の男には快楽を求めて、僕には必要無いと?」
「そうね…伝わっていなかったのならもう一度言うわ。」
ゆっくり息を吸って、しずくはハッキリと言った。
「他の男なら私に何をしてもいいけど。
あなただけは絶対に嫌なの。」
その目にはハッキリと悟への拒否が映し出されていた。
「……萎えた…。」
「初めから勃っていないけど…。」
しずくはチラッと悟の下半身を見て言った。