第4章 あなただけは絶対に嫌なんです
あの夜が嘘の様に、ベットに横になるしずくからは何の感情も感じない。
あんなに淫れたしずくの後では、本当に同じ人物なのか疑う位だ。
キスをして欲しいと縋った唇は、今は少しも隙を見せていない。
……やり辛い。
それが率直な悟の感想だった。
今までよくこのしずくを抱けたなと、不思議に思う位だった。
何の情欲も見せないしずくに、今はこんなにもどかしい。
このSEXに満足出来ていなかったと言ったしずくの言葉を思い出す。
今は『同感』だ。
ギシッとベットに乗って、しずくの肩を掴んだ。
「?!」
急に近付いて来た悟の顔に、しずくは思わず顔を背けた。
「何するの?!」
「……何って…。」
キスをしようとしたのだ。
まさかこんなに過剰に反応されるとは思っていなかったので、悟は少し動揺した。