第4章 あなただけは絶対に嫌なんです
分かってはいたが、硝子はしずくの味方の様だ。
どいつもこいつも離婚して当たり前だと言う。
「……しずくと離婚してさぁ、面倒だったらまた適当な相手と結婚しなよ。」
「……………。」
「それが2人にとって1番『面倒くさく』無いんじゃない?」
確かに面倒くさい風習から逃げる為の結婚だった。
「…僕にだって情はあるさ。」
「そんなの要らないってしずくは言ってんだよ。」
「…………。」
硝子はどこまでしずくから聞いたのだろうか。
家に帰りリビングに入ると、しずくは居なかった。
あの夜から大人しくしていて、今は自分の部屋に居るのだろう。
悟はすぐにしずくの部屋に行った。
「しずく。」
呼ぶと同時にドアを開けると、しずくはベットに座りながら本を読んでいた。
「……おかえり…ご飯食べる?」
いつもと変わらない表情でしずくは言った。