第4章 あなただけは絶対に嫌なんです

それでも硝子に紹介されて、チラッと悟を見上げるしずくの表情を見て。

硝子はしずくに恋心があるのだと分かった。

そして悟はそれを潰そうとしている事も。




しずくを見て、胸が少し痛んだ記憶が、今報われそうだ。




「歌姫先輩とのグループLINEに報告来たらねぇ、歌姫先輩もおめでとうのスタンプばっかりだよ。」

「……まだ離婚してないけどね…。」




この3人が繋がっているのは知っている。

そもそも硝子を紹介したのは悟だ。




しずくはたまに2人に会ってそれなりに楽しい時間を過ごしていたはずだ。




「… しずくは前から離婚したがってたの？」




硝子に聞いたら揶揄われると分かっていても、悟は聞かずにはいられなかった。

悟の言葉を聞いて、硝子はやはり微笑んだ。

それがまた学生時代に見た様な、悪い顔だ。




「女同士の会話を教える訳ないじゃん。」



硝子らしい返答に、悟はため息を吐いた。