第4章 あなただけは絶対に嫌なんです
しずくはベットに座った。
小さなため息を吐いて、これから悟が仕掛けてくるだろう行動を考える。
きっと悟は。
自分と恋愛する様に説得してくるだろう。
悟がやりそうな事を考えると、ハッと乾いた笑いが出た。
そんな事は何の意味も持たないのに、悟はまだ分かって無さそうだ。
今までの様に上手くしずくを丸め込んで側に置けるとまだそう思っているだろう。
(本当にどれだけ人を馬鹿にしているんだか……。)
かと言って、しずくも今すぐには動けなかった。
鏡に映る自分の姿を見て顔を歪ませた。
しずくの首から下に、ハッキリと悟との情事の痕が残っている。
この体で恋愛相手を見付けるのはまぁ無理だろう。
だけどそれで行動に制限が掛かると悟に思わせてしまったら、同じ痕を何度も付けてくるだろう。
しずくはスッとスマホを出して次の行動を取った。