第4章 あなただけは絶対に嫌なんです
「私が愛人を作りたいって言わなければ、この10年はずっと貞操を守ってたと信じてるみたいね。」
「!!」
笑ってそう言うしずくに、悟は一瞬固まった。
確かに自分はこの10年.、しずくがどう過ごしてきたかなんて知らなかった。
(まさかあんな愚行をずっとしていたのか?)
(………本当に馬鹿ね……。)
しずくの言葉に疑って固まっている悟に、しずくは目を細めた。
しずくはそのまま歩き出そうとする。
「しずく。」
それをまた悟が止まるので、今度は不快な顔を隠さずに悟を見下ろした。
「………どうだった?」
「は?」
「他の男はどうだったか聞いてるんだ。」
「…………………。」
まさかバレてるとも知らずに、感想を聞いてくるとは…。
何故かコッチが恥ずかしくなる。
「……とても気持ちよかったわ……。」