第3章 今夜不貞を働きます
『あなただけは絶対にいや。』
昨夜しずくに言われた言葉を思い出す。
ここまで自分を拒否されるほど、しずくに何かしただろうか。
ここまでする程……。
(僕が嫌と言うことか……。)
「……あの……。」
何も言わない悟に、流石にしずくは不安になっている。
そんなしずくを見ていた悟は体を傾けた。
しずくの髪をサラッと撫でると、ピクッとしずくの顔が震えた。
悟はそのしずくの震える唇に目を細めると。
ゆっくりとしずくに唇を重ねた。
軽く顔を掴んで、優しく触れる様なキスでしずくの反応を確かめる。
キスだけで体に力が入っていて、彼女が緊張しているのが分かった。
「…ふっ……。」
少し唇を離すと、しずくから息が漏れた。
悟は唇でしずくの口を少し開けると、そのまま舌をしずくの唇の中に入れた。