第3章 今夜不貞を働きます
「…………。」
しばらく部屋には誰も居ない気配だった。
こんな姿で1人放置されて、呆然と横たわっていた。
ガチャっとしばらくしてドアが開く音がした。
それがきっと男性スタッフだと言うことは分かった。
「…あ、あの……。」
しずくが声をかけても返事のないまま、気配だけが近くに感じた。
悟は自身もシャワーに浴びてバスローブ姿でしずくを見下ろした。
普段の自分の匂いを消す為だ。
(コレは思ったより面白い光景だ。)
カシャカシャカシャカシャッ
「ちょっ!写メですか?!」
しかも連写?!
今度離婚話になったら、この恥ずかしい写真で脅してやろう。
悟はそんなゲスな考えでしずくが露わな姿で慌てている写真を保存する。
「……喋ったらダメなんですか?」
何も返事をしない相手に恐怖すら感じた。
少ししずくの口元が震えているのを見て、悟は満足そうに微笑んだ。
思ったより早く片付きそうだ…。