第15章 最終章
「…まだ離婚していない。」
「……五条家は何も言ってきて無いけど…。」
「…半壊させてきたから。」
しばらくは大人しいはずだ。
「「…………。」」
一通り話をして、しずくは黙って悟を見た。
「…悟…『どうして』会いに来たの?」
しずくの言葉に、悟は目を顰めた。
病院に行ったから。
心配だったから。
どんな理由を並べようとも、この一言で説明が付いた。
「…会いたかったんだ、しずくに。」
真っ直ぐに自分を見てくる悟に、目を細めながらも。
まだ足りない。
「それはどうして?」
悟の答えを確かめる様に、しずくは悟の顔を覗き込んだ。
「僕はしずくと離婚したくない。」
「…何でそう思うの?」
どんどん投げからられる言葉に悟は更に目を顰めた。
「僕の奥さんは、生涯しずくだけだ。」