第15章 最終章
そうですね……。
私は怒ってます。
散々離婚を拒んだ悟が、私が『愛している』と言った瞬間に。
離婚届を受け取った事を。
ずっと悟に疑念すら覚えていた。
『悟は私が好きなんじゃないか。』
その疑念が確信に変わりましたよ。
こうして目の前に現れた悟を見て。
西条家の縁側で腰を掛けているしずくの前に悟が現れた。
普通なら、ゲームに負けたしずくの方が暗い表情をしていたはずだ。
なのに目の前に現れた悟の方がゲッソリやつれて、落ち込んでいると思っていたしずくの方が晴れ晴れとしている。
悟はしずくを見て、さぞ驚いただろう。
そして、自身のその喪失した姿を、自分では知るよしもないのだろう。
「……どうしたの?」
色々と…。
しずくは現れた悟の表情を見て、困った様に言った。