第15章 最終章
病院名を聞いて、硝子がピクッと反応する。
「妊娠じゃないか…?」
「あり得ないよ、僕としずくは子供が出来なかったし…。
何より、妊娠していたならしずくが離婚する理由が無い。」
それもそうか。
「ならブライダルチェックだな。」
「しずくさん前向きですねぇ。」
「しずくが僕以外の男と結婚するなんて、もっとあり得ないでしょうが!」
思わずため息が出そうな様の言葉だった。
「絶対、何かの病気だろ。
はぁ…だから僕と離婚するとか言ったんだ…。」
「はい?」
独り言の様に納得する悟に、硝子は呆れた声を出した。
「しずくが僕と離婚したいなんておかしいと思ったんだ。
きっと病気が原因で、僕に迷惑かけれないとか思ったんだよ。」
(おい、そろそろ止めるか?)
(無理ですね……。)
「しずくに会いに行ってくる。」
……言うと思った……。