第15章 最終章
「おい、落ち着け、元旦那ストーカー野郎。」
硝子は悟の肩をグッと掴んで七海から離した。
その硝子の手を払って、悟は叫んだ。
「僕はまだ離婚していない!
しずくの配偶者は僕で、僕は心配する権利がある!」
悟が堂々と言ってのけた言葉に、硝子と七海は目を丸くする。
「………離婚していない?……。」
眉間に皺が寄るこめかみを抑える事がやっとだった。
「出来る訳がないでしょう?こんなに納得出来ないのに!」
子供か……。
いや、子供の様に純粋な気持ちがない分タチが悪い。
「…五条さん…あなたは……。」
何を考えているのか。
そんな事を説いても、まともな答えが出てきそうにもない。
「……まぁ…落ち着こうか……。」
ふぅっと硝子がため息を付いて、その場を収めた。
「しずくは何処の病院に行ったんだ?」
「……○○レディースクリニック…。」