第3章 今夜不貞を働きます
女性スタッフに言われてシャワーから上がると、渡された衣装に固まった。
「……コレは下着ですか?」
女性スタッフが持って来た下着を震えた指で指した。
……何も隠れていない。
申し訳なさそうなレースがあしらってあって、むしろ隠さなければならない部分は何故かパックリと開いている。
装飾品は確かに可愛いが、絶対に下着としての用途は果たしていない。
しずくはぎゅっと今着ているバスローブを握った。
「……お手伝いしますか?」
「いえ!大丈夫です!」
女性スタッフを断ってみてもしずくはしばらく下着らしきモノを見ていた。
(これは当たり前なのかしら?)
頭がグルグルと回らない中、取り敢えずその下着を手に取ってみた。
軽い……。
軽すぎてやはり頭が衣服として認識しない。
「もうすぐ男性スタッフが見えます。」
女性スタッフのその声で、しずくは慌ててその下着に着替えた。
(もうどうにでもなれ!)
そんな気持ちで勢いで着替えてみるも、鏡に映る自分の姿に唖然とする。