第14章 あなたの何者にもなれなかった
「しずくおいで、早く済ませよう。」
そう言った悟は1ヶ月ぶりにしずくの寝室に入った。
しずくはそんな悟の後ろ姿をジッと見た。
月に1度だけの子作りの為だけのSEXだ。
普段は寝室は別々で、その日だけは悟はしずくの部屋に入り、行為が終われば出て行く。
悟と結婚して10年。
慣れたその業務の様な行為に、しずくは何も言わない。
「……っ………。」
悟の舌が体を這ってもしずくはたいして声を出さない。
悟もそんな事は気にしない。
結局は苦なく入ればいいのだから。
ギシギシと悟の律動に合わせてベットが軋む。
しずくは枕に顔を埋めて、その行為が終わるのをただ待っている。
後ろから深く挿入された悟のモノが中を擦る度にしずくの足はピンと力が入る。
キスも無いそんな行為でも慣らされれば快楽を覚え、しずくな中から愛液は溢れてくる。