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【呪術廻戦】五条悟の奥様は離婚したい【R18】

第14章 あなたの何者にもなれなかった


「少なくとも……同じ痛みを労われるだけの存在で居ると思っていた。」




悟を想い走らせて、辿りついた自分の家で待っていたのは。





『いつもの』悟だった。

たったそれだけの事だった。




息をはずませて部屋に入ったしずくの目の先には。

いつもの様に自分に興味が無い悟の目線と。

変わらないいつもの2人の距離だった。





「…おかえり。」

チラッとしずくを見て言った悟の表情に。

その胸の痛みを分かち合おうという気持ちは汲み取れなかった。




「……ただいま…。」




しずくはそれだけ言うと、いつもの様に悟の脇を通り過ぎて、自分の部屋に向かった。





「その時初めて…私達は10年の時を一緒に過ごしても、あなたの何者にもなれなかったと知ったの。

私達はただ10年の時を過ごしただけの存在だった。」




そして、シャワーを浴びて出てきたしずくに悟は言った。


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