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【呪術廻戦】五条悟の奥様は離婚したい【R18】

第14章 あなたの何者にもなれなかった






しずくの本家のある岐阜の山奥に。

西条家のお墓があった。




悟はしずくに案内されるまま、後ろ姿を見ていた。

お互い高専の制服で墓石の前に立つ。

呪術師の弔いの礼服だった。




しずくは花を手向けて、お線香に火をつけた。

その作法を悟はジッと見ていた。




「拓海くんのお墓?」

「…うん…そう…。」




拓海が死んで、悟がこのお墓に来たのは初めての事だった。

天気が良くて、気持ちのいい風が2人の間を吹いた。




「……拓海くんのお葬式に、僕が出なかったのが離婚の理由?」




悟の言葉が聞こえて、しずくは瞑っていた目をゆっくり開けた。

「………いいえ……。」

こちらを見ずに、墓石に顔を向けたままのしずくの後ろ姿に、悟は目を細めた。




その事で悟を恨む気持ちなんて無かった。




あの日。

百鬼夜行の日に。




悟もまた、大切な人を失ったのだから。




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