第3章 今夜不貞を働きます
そのマンションのエントランスにズカズカと詰め寄る様に近付くのは悟だ。
大柄の目隠しをしている男が無言で近付いてくるその迫力に、エントランスの受付はかなり恐怖だっただろう。
「ここの責任者出して、早く。」
詰め寄る様に言う悟に、マンションの奥から来たのは警備員だった。
「………時間がないんだよ……。」
悟がそう言って警備員を睨むと、その後はあっという間の出来事だった。
ちょっと暴れただけで、悟はすぐに責任者が居るフロアに入った。
怯えている彼らに悟はすぐに札束を叩きつける様に彼の目の前に置いた。
「今入ってきた女性の相手は僕がやる。」
悟の言葉の札束に一瞬気を取られたが、すぐに男は断った。
「当店は品質を保つために、男性スタッフには厳重な教育をしています。
申し訳ありませんが……。」
男が札束を押し返そうとした時に、さらに追加の札束と、悟はクイッと目隠しを外した。