第13章 本当に僕の事分かって無いね!
悟の気持ちを聞いて、おかしいとは思わなかった。
『五条悟』らしいな。
そんな短い言葉だけが頭に浮かんだ。
そしてそれが自分の夫だっただけだ。
分かりきっていた悟の答え。
たったそれだけの答えに、しずくは少し笑った。
「…… しずく何で笑ってるの?」
「ん?…悟らしいなって…。」
しずくが笑えば、釣られて悟も笑う。
そんな時間を過ごしたら、しずくは離婚を考え直してくれるのでは無いかと期待してしまう。
「… しずく…、今日抱いていい?」
そんな期待を込めても、出てくる言葉はこんな事しか言えない。
だってしずくは今日、七海と愛し合うつもりでこの部屋を取っていたはずだ。
あのレストランで、気持ちを高めてその情欲を満たそうとしていた。
不完全に終わったしずくの情欲は解消してあげないと可哀想だろ。
例えそれが自分以外の男から受けた昂りでも。