第13章 本当に僕の事分かって無いね!
「しずくさん。」
悟を無視して、七海はしずくに声を掛けた。
「私もこのホテルに部屋を取っています。
一緒に行きましょう。」
七海の提案に、しずくの胸がドキッと高鳴った。
悟が居ても臆する事なく自分を求めてくれる。
七海のその気持ちに純粋に胸が高鳴った。
「は?じゃあこの部屋はしずくが自分で取ったの?七海とやりたくて?引くわー。」
後ろから馬鹿にした様に言う悟の言葉に、しずくの顔はかぁっと熱くなった。
デートなんてした事が無かった。
だから七海の負担にならない様に。
七海が喜んでくれる様に。
一生懸命に考えた行動だった。
それを揶揄われて、馬鹿にされて、悔しさと恥ずかしさで。
しずくは顔を赤くして俯いた。
七海の目に、悟の言葉に恐縮して、自分を恥じて肩を震わせているしずくが居た。