第13章 本当に僕の事分かって無いね!
多分、今自分は悟と同じ顔をしている。
自分の感情に困惑して、俯いている悟を見て。
しずくはそう思った。
しばらくの沈黙の後、声を出したのは今度は七海だった。
「…で?どうしますか?」
その言葉に、2人は七海を見た。
神妙な顔をして俯いていた2人とは違って、七海は腕を組みながら無表情で2人を見た。
「五条さんはしばらく休めば自分で帰れそうですし…。」
七海の言葉に、悟の顔がまた青くなる。
「あんな家に帰るか!僕の家に、僕としずく以外の匂いが付いたんだよ!もう暮らせない!」
「じゃあ、どうするの?引っ越す訳?その間私達は別居でいいの?」
しずくの別居と言う言葉に、思わず笑みが漏れたのは七海だ。
「そんな七海だけが喜ぶ事する訳ないでしょう!」
えー……。
子供の様に駄々をこねる悟を見て、しずくと七海は呆れた様に悟を見下ろす。