第13章 本当に僕の事分かって無いね!
悟は少し体を起こして、しずくに向かって叫んだ。
「僕は自分から行くのは平気だけど、来られるのは殺したいほど嫌なんだ!」
「「………………、」」
悟の叫びに、しずくと七海は黙ってしまった。
何て勝手ないい分なんだ。
そう思いながらも、『無下限呪術』を思うと、そうなのかもしれない…。
「……だから……自分からは決して押し付けてこない子を選んだじゃない…。」
しずくの様に、ただその場に居る事が出来。
悟の言葉でのみ行動する美しい若い子を。
悟の目がさらに細くなる。
「…何がダメなのよ…。」
しずくと彼女と何が違うと言うのだろうか。
2人とも、悟にとっては都合のいい嫁に変わりは無い…。
「………そんなの……僕が知りたいよ……。」
眉間に皺を寄せて問い詰めるしずくに。
悟は目を伏せながら言った。
しずくなら平気で彼女だったらダメな理由。
そんなのは自分が1番知りたかった。