第13章 本当に僕の事分かって無いね!
しずくは小さくため息を吐くと、ベットに横になっている悟に近付いた。
ベットに腰掛けて、悟を覗き込む。
「…どうしたの?」
あの家を出てきたのに、仮病を使っている訳では無さそうだ。
顔色の悪い悟を見て、声のトーンが心配で優しくなる。
「…………勃たなかった……。」
「?!」
ボソッと呟いた悟に、しずくと七海は一瞬固まった。
しばらく沈黙して、横たわっている悟を見下ろした。
「……あなたは勃たなかったら、裸足で逃げるんですか?」
「んな訳あるかっ!」
七海の言葉に悟はガバッと一瞬起きたが、すぐにえづいてまた横になる。
しずくはそんな悟の背中を摩って、悟のえづきが終わるのを待った。
「………最初は大丈夫だったんだ……。」
しばらくしてから、悟はポツリポツリと話し出した。
「…肩を抱いて寝室行くまでは、本当に何ともなくて……。」