第12章 お互いのパートナーを決めましょう
それすら分かっていて、今度はそんな女を選ばないを完璧な五条家の嫁。
しずく。お前は……。
どんな思いであの子を選んだんだ。
冷めたい水が頭をクリアにしてくれる。
そんなのはきっと、『五条悟と離婚したい』からだ。
そんな自分の過去に傷付く事もなく、ただ悟が円滑に家庭を築ける自分の変わりの嫁を選ぶ。
自分が育てた完璧な五条家の嫁に。
吐き気より胸が痛んだ。
「……どうでもいい。」
悟はそう呟くと、シャワーを止めた。
元々嫁なんて、誰でもよかった。
自分を煩らわす事さえしなく。
側に置くのに、充分な美しさなら誰でも良かった。
ああ、そうだ。
今度の嫁も申し分は無い。
悟が浴室から上がってリビングに行くと、ソファに花の様に気配を消して座っている小百合。
ほら、なんの嫌悪感も抱かない。
完璧なしずくの仕事。
悟はゆっくりと小百合の元に歩み寄った。