第12章 お互いのパートナーを決めましょう
しずくの目の前には、自分より5つは若いだろう女の子。
術式を持った家系で生まれ育ち。
この前の悟のお見合いで、しずくの目に止まった子だ。
顔も雰囲気も、きっと悟は気にいるだろう。
少し緊張気味に、顔を俯かせている彼女を見て、しずくは目を細めた。
今日。悟としずくは、それぞれの次のパートナーと一夜を過ごす。
今の段階で悟には何も言っていない。
それでも悟はこの提案を断らないだろうと確信していた。
彼はもう。
離婚を受け入れているから。
この家に来てもらったのは、悟と彼女に早く慣れてもらう為だった。
出て行く自分が、今日は家を空ける。
結婚している2人が、それぞれ別の相手と夜を過ごす。
いよいよおかしくなってきた夫婦生活に、しずくはフッと笑った。