第12章 お互いのパートナーを決めましょう
「…何で…こんなに協力してくれるの?」
七海に聞きたくて聞けなかった事を、しずくは聞いた。
しずくの言葉を聞いて、七海は一瞬びっくりした顔をしたが、すぐに笑って言った。
「言葉にしないと分からないですかね?」
いや。
充分だった。
言葉の変わりに、七海がしずくの手を握る。
その時の七海の顔を見て、彼が自分をどう想ってくれているのか分かった。
「…作戦を続けていいですかね…。」
そう七海に優しく言われて、しずくは少し顔を赤らめながらゆっくり頷いた。
とうとう。
それぞれの新しいパートナーを決める時が来たようだ。
そう決心した時に、頭に浮かんだのは。
結婚式の日の悟の笑顔ではなくて。
しずくを好きだと抱きながら言った、悟の表情だった。