第12章 お互いのパートナーを決めましょう
泣いているであろうしずくを抱き締めて、悟は心配そうにしずくを見ていた。
目隠しをしていた為、正確な表情はわからなかった。
シーツに包まっていたしずくは、なおさらその悟の表情は見ていないだろう。
一生懸命にしずくに囁いている悟を見て。
七海は聞いていた印象と、全く違う事を思った。
まるで大切なモノを運ぶ様に見えた悟の姿に。
しずくは気付いているのだろうか。
しずくの気持ちを確認せざるを得なかった。
七海の言葉を聞いて、しずくは伏せていた目をゆっくり瞑った。
「……離婚したい……。」
再び目が開いて七海の顔を見上げたしずくの表情に。
迷いは見えなかった。
「……分かりました…。」
そう言った七海の顔が優しく笑っていたので、しずくは目を奪われた。
ぎゅっと握っていた拳に力が入った。