第12章 お互いのパートナーを決めましょう
「しずく出掛けるの?」
朝早く外出の準備をしているしずくに悟は聞いた。
「うん…そろそろ呪術師の活動をしようと思って…。」
離婚するなら1人で生計を立てなくてはならない。
お金を貰えるなら、高専からの仕事を受けた方が早かった。
高専時代までしか呪術師の仕事をしていなかった。
しずくの階級は準2級で高い方では無い。
階級を上げる為にも、実家より高専の仕事をするしか無かった。
10年ぶりに高専の制服を着るしずくを見た。
その制服を着ている頃はまだ、自分に恋心を持っていたはずだ。
「じゃあ、一緒に行こうか。」
悟はしずくの側に来て、ぎゅっとその手を握った。
少しびっくりしてしずくが顔を見上げると、ちゅっと軽く悟がキスをしてきた。
……悟が分からない。
すぐに離れる悟を見ながらしずくは思った。