第11章 この最低男
悟のその言葉に、七海は目を細めた。
「… しずくさんが私と恋愛をして、五条さんと結婚生活を続けるのが、五条さんの望みだと聞いていますが。」
「……ふーん……理解して愛人やるって言うんだ。」
確かにそれでしずくが結婚生活を続けるのが、一番の解決方法だった。
何か腑に落ちない。
「…七海って結婚とかしないの?」
「呪術師やっている間は考えて無いですね…。」
何もかもが、悟の理想通りの答えだ。
その出来すぎた七海の回答に、目隠しの中の目が歪んだ。
「…ああでも…子供が出来たら結婚しますかね…。」
七海のその言葉に、明らかに悟の表情が変わった。
「確か、五条さんとの子供より、私の子供が先に出来たら離婚なさるんでしたっけ?」
そうだよなぁ…コイツはこう言うやつだ。
何の感情も見せないで、淡々に言う七海に、逆に神経を逆撫でされる。