第10章 これは愛ではありません
五条悟の嫁でありながら、他の男と恋愛したいといい。
愛人を作って、情欲を楽しみたいと願い。
平気で他の女に悟を差し出した。
(まるで僕が少しも傷付かないと思って。)
「最後は 泣いて縋ってくる しずくを振り払って離婚してやる。」
目隠しをしている為、悟の表情は分からなかった。
でも硝子は確信している。
コイツは笑ってそう願っていると。
「…そこまでクズじゃ多少の罪悪感も無くなるモノだ。」
硝子はため息を吐きながら呟いた。
悟は硝子の言葉に顔を上げた。
悟を睨む様に真っ直ぐ見ながら硝子は言った。
「喜べ。 しずくには恋人が出来るだろう。」
「…は?」
硝子の言葉に、悟の目が歪んだ。
「上手くいけば、五条が望む様に 、 しずくは外で恋愛を満たして結婚生活を続けてくれるかもしれないぞ。」
まぁ『あいつ』がそんなヤワな男には思えないけど。