第10章 これは愛ではありません
ぎゅっとしずくの頭を両手で掴んで、しずくの顔を見下ろした。
目元も潤んで、悟に溺れているしずくの顔を目にすると、しずくの中に入っている自分のモノがどうしようも無く疼くのが分かった。
「あ… しずく可愛いっ…ずっとそのままでいればいいのに。」
生意気な事を言うしずくじゃ無くて、こうして悟に溺れるしずくだけ見ていたい。
「はぁ…可愛い……好きだよしずく…。」
キスを繰り返しながら、愛を囁く悟に、しずくの体は簡単にイってしまう。
苦しいのは何回もイかされて、息もつかないこの状況なのか。
しずくは目を薄っすら開けて悟を見た。
そこにはとても愛おしそうに妻を抱いている男の姿があった。
それともこの悟がただ情欲を楽しむだけの演技だからか。
(…苦しい……もう分からない……。)
ただしずくを見るその顔は。
やっぱり綺麗で。
何故か結婚式の時に初めて笑いかけてくれた悟を思い出した。