第2章 離婚して下さい
しずくは自分の部屋に戻り先程の会話を思い出して、フッと笑った。
本当に悟はしずくには興味が無いので、やりやすかった。
悟が離婚より愛人を認めるのはすぐに分かっていた。
思ったより悟がごねたが、さほど支障は無かった。
今はしずくが恋なんて出来ないと思っているので、全く気にしていない様だが。
悟なら体の浮気は許せても、しずくが他に愛する人が出来た時。
その時は受け入れないだろう。
彼は何故か自分としずくが同じだと思っている。
悟は誰も愛する事は無い。
楽しく遊ぶ事はたくさんするだろう。
本当に彼がこの10年間女性問題が無かったのかは分からないし、知りたくも無い。
だけど、恋愛感情に1ミリも興味が無いのは分かる。
今目の前に悟のタイプの女性が誘ってきても、その女性が悟に好意を持っていたら絶対に手は出さないだろう。