第9章 とても変な夫婦関係です
悟の下瞼が少し動いたが、すぐにいつもの表情を取り戻す。
「そうやって絆して離婚をなぁなぁにするつもりだろうけど、よく考えて。
それで繋ぎ止めた私は、悟が散々面倒だって嫌がっていた私だからね。
悟が1番面倒な再婚の行事が今日終わったの。
分かる?今1番悟にとって煩わしいのは私なの。
こんな事してないで、早く再婚するのが悟の望みに1番近いのよ。」
今度は下瞼が動くだけでは済まなかった。
スッと目を細めて、悟は笑った。
その表情にまた嫌な予感で、ゾクリとする。
「ああ、それ面白いね。」
そう言って悟はしずくの顎を掴むと、しずくにキスをした。
「!」
唇を閉じていても、ヌルッとした悟の舌に唇を舐められて、無理矢理入ってこようとする舌が、歯を割ってくる。
悟の肩に手を置いて引き離そうとするが、こうなったら悟が気が済むまでキスをしなければ離れてくれない。