第9章 とても変な夫婦関係です
今日は特にしつこかった。
ぎゅうっと悟の浴衣を握りして耐えていると、やっと悟の唇が離れた。
「…はぁ…悟、だから…。」
眉間に皺を寄せて悟を睨み付けている。
だけどその表情は、確かに紅潮している。
そのしずくの顔を見て、悟は笑った。
「しずくは簡単だね、キスだけで好きになっちゃうんだ。」
「はっ?違っ……!」
悟の煽りに反応しようとした唇を、再び悟に塞がれる。
悟の手が今度は浴衣に伸びてきた。
襟から手を入れて、しずくの胸を掴んだ。
ピクッと余計に反抗する顎を押さえて、さらに舌を口内に押し込んで、指で先端の敏感な部分に触れた。
舌が唇から離れて、首元に移動する。
悟の舌の動きに、体が硬直している内に、悟は器用に帯を解いていく。
縋る様にぎゅっと悟の浴衣を掴んで、声を抑えて体を震わせているしずくを見て。
本当に簡単な女だとまた笑いが出てしまう。