第9章 とても変な夫婦関係です
「ほら、初体験だよ〜、早くおいて〜。」
明らかに揶揄った悟の言葉遣いに血管が切れそうだ。
しずくは大きくため息を吐いて、布団に入ると、悟に背を向ける。
「SEXしないの?」
「…………。」
悟の言葉を無視して寝る事に集中する事にする。
もちろん、そんな事で悟が許すはずが無い。
今日は随分と機嫌を悪くしたのだから。
「しずく、僕はしたいんだけど。」
ぎゅっと目を瞑っていても、耳元に悟の声が聞こえる。
「……キスしないなら、いいよ。」
10年間していたSEXなら、付き合ってもいい。
「何でキスが嫌なの?どうせなら気持ちいい方が良く無い?」
悟の手がしずくの首元に触れた。
しずくは振り返って悟を見ると、近くにある悟の顔に怯む事無く言った。
「…普通はね、体の情を重ねれば、気持ちも情が入るのよ。
それが分かってて、私が悟を好きにならない様に、今まであんなSEXで済ましてたんじゃ無いの?」