第8章 私の初恋でした
馴染ませる様に、悟はしばらく動かなかった。
いや、動けなかった。
ガチガチに体が硬くて、簡単に引き抜けない。
「はぁ…良かったねしずく…。」
悟の体が倒れて来て、しずくの顔の横に悟の声が聞こえた。
「…早く済みそうだよ……だから、もっと力抜いて。」
耳元で悟の声が聞こえて、悟の大きな手が、ポンとしずくの頭を撫でた。
「…んっぅ……。」
必死に呼吸を繰り返して、悟の律動に堪えた。
ヒリヒリ痛かった局部は、もう何の痛みか分からない。
だけれども『早く終わる』と言った悟の言葉を信じて、しずくはシーツをぎゅっと掴んで堪えた。
「……滑ってきた…。」
血なのか愛液なのかは分からないが、確かに滑りが良くなり、苦なくしずくの中で動ける様になった。
滑りが良くなれば、しずくの痛みも多少は治った気がする。
「……は……ぅぅ…。」