第2章 離婚して下さい
しずくは子供が出来ない様に薬を飲んでいた。
別にそれを咎める事はしなかった。
彼女が隠れながら飲んでいたので、それに触れなかっただけだ。
本家からの小言を1人で受けても何も言わなかったのも、それが原因なのだろう。
つまり、よく考えれば、しずくは前から悟と別れたがっていたんだ。
いつでも別れられる様に、悟の子供を妊娠する気は無かった。
「…そんな状態で産まれた子供は誰の子供になるの?」
流石に産まれた子供が相伝術式で無かった時。
ましてや非術師で産まれてしまっては、責められるのはしずくになるだろう。
悟の言葉にしずくはフッと笑った。
「欲しいの?子供。」
そう言ったしずくに悟は何も言えなかった。
どうでもよかったから、今まで避妊していたしずくを咎める事をしなかったのだから。
悟が黙認していた事を知っていたかの様にしずくは微笑んだ。