第7章 あなたの婚約者です
それでも…。
やっと離婚の一歩を歩いてくれた悟に、感謝の気持ちもあった。
「……いいよ…。」
今日位は悟の望みを叶えるのも悪くない…。
来た食事は、評判通り豪華で美味しかった。
機嫌が悪かった悟も沢山食べていたので、料理には満足しているのだと分かった。
こうして、家以外で悟と食事をしたのは初めてだった。
外出も一緒にした事は無い。
「明日はどうするの?」
「…んー…観光かな…。」
悟はよく世界中と飛んでいて、出張先の甘味をお土産に買ってくる。
仙台土産も何度か貰った事あるので、仙台に来た事があるのは知っている。
観光はした事があるのだろうか…。
そんな些細な会話でさえ、した事が無い仲だから。
何も悟が分からない。
ただ、今日は何でしずくに付き合ってくれたのかは、何となく分かっていた。
食事が終わると、お風呂の用意をして、2人で部屋を出た。