第7章 あなたの婚約者です
「只今より、五条家当主のお見合いを始めたいと思います。」
一斉に会場がざわついた。
1番の戸惑いは、妻のしずくがこの会場の司会を務めている事だろう。
だけど、しずくにはこれすら選別になった。
五条家の情報に疎い者。
五条家では悟の再婚相手を真摯に探している。
呪術界に疎い者。
そしてその狂った様な行動でさえ、五条悟という稀有な存在なら、致し方のない事だと言う事を。
それが分からずに騒いでいる彼女らは、すでに篩にかけられている事にさえ気付いていないだろう。
しずくはそのザワついた会場を見渡して、数名の女の子に目星を掛けた。
粛々と五条家の習わしに沿って、この異形な場所に立っているしずくを見て、鳥肌が立つ様だった。
本当に本家は頭が悪い様だ。
五条家の為にここまで出来るしずくを、子供が出来ないというだけで排除しようとするのだから。