第7章 あなたの婚約者です
「なら、協力してあげる。」
その笑顔は、学生の時に見た悪巧みを考えている時の硝子の顔だった。
粛々と離婚の為に周りが固まってきて、しずくは心強さで笑顔になった。
後に、硝子の作戦には驚愕するのだが…。
「しずくの家の方は、離婚は大丈夫なの?
呪術師やってるお兄さん居なかったっけ。」
高専に専属していなくて、しずくの本家の方で呪術師をやっていた兄。
しずくはその話題に目を伏せた。
(…まだ言っていなかったっけ…。)
「うちの家の方は大丈夫…。」
自分の兄の話になり、しずくは目を伏せた。
悟との離婚を決めた決定的な出来事にもなった。
それはまだ、2人には話せていなかった。
そしてその理由を、悟にも誰にも言うつもりは無い。