第6章 あなたは私の何を知っているの?
「しずくの性欲に付き合う男娼の心配をしてるんだよ。」
「何で悟が彼らの心配するのよ。」
失礼な。
別に変な性癖があるわけでは無い。
ただ情欲を治めたいだけだ。
悟はソファから立って、しずくに向かって歩いてきた。
近付いてくる悟に少し体がすくんだ。
ズイッと悟が顔を近づけた。
「心配するさ…自分の妻が他の男の前であれだけの痴態を晒そうとしてるのだから。」
痴態…。
そうでしょうね。
「…あれだけ情欲を貪る私の姿は、悟にとってはさぞかし見苦しかったでしょうね…。」
しずくはギュッと拳を握って、眉間に皺を寄せて目を伏せた。
もう、何を言われても傷付かないと思っていても、面と向かってこんな事を言われたらやはり傷付いた。
「は?何言って……。「だけど!」」
悟が眉を顰めて話出そうとした時に、しずくは被せるように言った。
「悟が私をどう思おうと、あなたに抱かれる位なら自分で慰めた方がマシよ!」