第6章 あなたは私の何を知っているの?
しずくは抱かれたいのだ。
他の男に。
「…はぁ…。」
自分の不埒な思考にため息が出る。
こんなにも自分は不純だったのだから。
それでももうこの情欲は抑えられなかった。
どうする?いつもの様に1人で処理するべきか。
でも今は家の中に悟が居るから、絶対にしたく無い。
もう純粋なデートだけでは物足りなくて、頭がおかしくなりそうだ。
しずくはスッとスマホに手を伸ばした。
(ああ…しずく…、それは許せないよ。)
悟はいつもの様にしずくのスマホを画面で見ながら、笑いながら思った。
どうやら自分の奥さんは少しも情欲を耐えられなくなってしまった様だ。
また何処かの男娼に抱かれようとしているしずくに、悟は目を細めた。
本当にこんなにも自分の奥さんが淫らだとは思いもしなかった。