第6章 あなたは私の何を知っているの?
「何で苛々してるの?まだ排卵日終わってないよ?」
最低。
マジで最低。
こうやって人を小馬鹿に煽る悟は大嫌いだ。
「本当に早く出ていって💢」
しずくは本気で顔を顰めながら悟に言った。
ああこれは本気で怒っている。
悟はちゃんと引き際を分かっていて、スッと引いた。
ワザと肩で息を吐いて、悟はしずくの部屋から出て行った。
後もう少し悟が部屋から出て行くのが遅かったら、もっと悪態を突いていたかもしれない。
悟が部屋を出て行ってくれて、しずくは安堵の息を吐いた。
ブーブーとしずくのスマホが震えている音が部屋に響き渡った。
しずくはそのスマホを見て目を細めた。
きっと今日会った男からの連絡だろう。
しずくは男とのやり取りを思い返した。
悟に伝えたい通り、それはとでも楽しい時間だった。